免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&Aについて

この度、消費税制度(インボイス制度)に関する周知・広報等に関して
令和4年1月28日付け全生指発第1522号にて「消費税の適格請求書等保存方式の
施行に向けた周知等について」通知しておりますが、その協力依頼文書の
一部である「別添3 免税事業者及びその取引先のインボイスへの対応に関するQ&A(概要)”【別紙1】の内容が改正されましたのでお知らせいたします。

免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&Aについて

 平素は、当指導センター事業の実施にあたりご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 この度、消費税制度(インボイス制度)に関する周知・広報等に関して令和 4 年 1 月 28 日付け全生指発第 1522 号にて「消費税の適格請求書等保存方式の施行に向けた周知等について」通知しておりますが、その協力依頼文書の一部である「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」の内容が改正されましたので、以下のとおりお知らせいたします。

 つきましては、貴指導センターにおかれては、生衛組合等に対する周知方宜しくお願いいたします。

【ご案内】

「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」を公表後において、事業者の方々から寄せられている質問等に基づき免税事業者やその取引先の対応に関する考え方を追加等しましたので公表します。

○【別紙1】免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A

 Q7における免税事業者やその取引先の対応に関する考え方として、「6 登録事業者となるような慫慂等」の追加等を行った。また、簡易課税制度に関する記述の追加等を行った。

○【別紙2】免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A(概要)上記「6 登録事業者となるような慫慂等」の追加等に伴う修正を行った。

○(参考)インボイス制度後の免税事業者との取引に係る下請法等の考え方

 上記「6 登録事業者となるような慫慂等」の追加等に伴い、【事例3】の追加を行った。当該Q&Aにつきましては以下のURLにも掲載されておりますので、事業者へご案内いただき、引き続き関係法令が遵守されるよう周知をお願いいたします。

【財務省】 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d02.htm

【公正取引委員会】 https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html

【中小企業庁】 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/index.html

【国土交通省】 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000178.html

※ 各ホームページに掲載されているQ&Aは全て同じ内容となります。

インボイス制度後の免税事業者との取引に係る下請法等の考え⽅                                                        (参考)

インボイス制度への対応に関するQ&Aについて(概要)
インボイス制度に関し、免税事業者やその取引先の対応について考え方を明らかにし、制度への理解を深め、必要な対応をご検討いただく際にご活用いただくことを目的として作成したものです。

インボイス制度で何が変わるのか
Q1 インボイス制度が実施されて、何が変わりますか?
課税事業者がインボイス発行事業者の登録を受けることで、インボイスを発行できるようになります。インボイスには消費税額等が記載されるため、その転嫁がしやすくなる面もあると考えられます。事業者は請求書等の記載事項やシステムの改修等への対応が必要となる場合があるところ、改正電子帳簿保存法の活用を図るほか、デジタル化の推進のための専門家派遣やITの導入支援などを行います。
免税事業者への影響
2 免税事業者であり続けた場合、必ず取引に影響が生じるのですか?
売上先が、以下のどちらかに該当する場合は、取引への影響は生じないと考えられます。
①売上先が消費者又は免税事業者である場合
②売上先の事業者が簡易課税制度を適用している場合そのほか、消費税が非課税とされるサービス等を提供している事業者に対して、そのサービス等のために必要な物品を販売している場合なども、取引への影響は生じないと考えられます。
Q3売上先がQ2のいずれにも当てはまらない場合、
免税事業者の取引にはどのような影響が生じますか?
免税事業者の取引への影響に配慮して経過措置が設けられており、インボイス制度の実施後6年間は、仕入税額控除が可能とされています。なお、売上先の意向で取引条件が見直される場合、その方法や内容によっては、売上先は独占禁止法・下請法・建設業法により問題となる可能性があります(Q7参照)。
4 免税事業者が課税事業者を選択した場合、何が必要になりますか?
課税事業者を選択した場合、消費税の申告・納税等が必要になりますが、課税売上高が5,000万円以下の事業者は簡易課税制度を適用でき、その場合は仕入れの際にインボイスを受け取り、保存する必要はありません。
課税事業者の留意点
5 課税事業者は、免税事業者からの仕入れについて、どのようなことに留意すればいいですか?
簡易課税制度を適用している場合は、インボイスを保存しなくても仕入税額控除ができるため、仕入先との関係では留意する必要はありません。簡易課税制度を適用していない場合も、取引への影響に配慮して経過措置が設けられており、免税事業者からの仕入れについても、制度実施後3年間は消費税相当額の8割、その後の3年間は5割を仕入税額控除が可能とされています。
また、消費税の性質上、免税事業者も自らの仕入れに係る消費税を負担しており、その分は免税事業者の取引価格に織り込まれる必要があることにも、ご留意ください。
6 課税事から仕入れを行う場合、どのようなことに留意すればいいですか?
簡易課税制度を適用している場合は、インボイスを保存しなくても仕入税額控除ができるため、仕入先との関係では留意する必要はありません。また、簡易課税制度を適用していない場合は、取引条件を設定するに当たり、相手がインボイス発行事業者かを確認する必要があると考えられます。免税事業者から仕入れを行う場合は、設定する取引価格が免税事業者を前提としたものであることを、互いに理解しておく必要もあると考えられます。

インボイス制度への対応に関するQ&Aについて(概要)
独占禁止法等において問題となる行為
7 仕入先である免税事業者との取引について、インボイス制度の実施を契機として取引条件を見直すことを検討していますが、独占禁止法などの上ではどのような行為が問題となりますか?
1 取引対価の引下げ
取引上優越した地位にある事業者(買手)が、免税事業者との取引において、仕入税額控除できないことを理由に取引価格の引下げを要請し、再交渉において、双方納得の上で取引価格を設定すれば、結果的に取引価格が引き下げられたとしても、独占禁止法上問題となるものではありません。しかし、再交渉が形式的なものにすぎず、仕入側の事業者(買手)の都合のみで著しく低い価格を設定し、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格を設定した場合には、優越的地位の濫用として、独占禁止法上問題となります。
2 商品・役務の成果物の受領拒否等
取引上の地位が相手方に優越している事業者(買手)が、仕入先から商品を購入する契約をした後において、仕入先がインボイス発行事業者でないことを理由に商品の受領を拒否することは、優越的地位の濫用として問題となります。
3 協賛金等の負担の要請等
取引上優越した地位にある事業者(買手)が、インボイス制度の実施を契機として、免税事業者である仕入先に対し、取引価格の据置きを受け入れる代わりに、取引の相手方に別途、協賛金、販売促進費等の名目で金銭の負担を要請することは、当該協賛金等の負担額及びその算出根拠等について、仕入先との間で明確になっておらず、仕入先にあらかじめ計算できない不利益を与えることとなる場合などには、優越的地位の濫用として問題となります。
4 購入・利用強制
取引上優越した地位にある事業者(買手)が、インボイス制度の実施を契機として、免税事業者である仕入先に対し、取引価格の据置きを受け入れる代わりに、当該取引に係る商品・役務以外の商品・役務の購入を要請することは、仕入先が事業遂行上必要としない商品・役務であり、又はその購入を希望していないときであったとしても、優越的地位の濫用として問題となります。
5 取引の停止
事業者がどの事業者と取引するかは基本的に自由ですが、取引上の地位が相手方に優越している事業者(買手)が、インボイス制度の実施を契機として、免税事業者である仕入先に対して、一方的に、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格など著しく低い取引価格を設定し、不当に不利益を与えることとなる場合であって、これに応じない相手方との取引を停止した場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあります。
6 登録事業者となるような慫慂等
課税事業者が、インボイスに対応するために、取引先の免税事業者に対し、課税事業者になるよう要請すること自体は、独占禁止法上問題となるものではありませんが、それにとどまらず、課税事業者にならなければ、取引価格を引き下げるとか、それにも応じなければ取引を打ち切ることにするなどと一方的に通告することは、独占禁止法上又は下請法上、問題となるおそれがあります。
※ 上記において、独占禁止法上問題となるのは、行為者の地位が相手方に優越していること、また、免税事業者が今後の取引に与える影響等を懸念して、行為者による要請等を受け入れざるを得ないことが前提となります。